芸術係数オンラインセミナー:『関係性の美学』再入門 全4回

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本セミナーは、『関係性の美学』を「人と人をつなぐアート」の理論や地域アートの合言葉へ還元せず、原典、作品、展覧会、同時代の制度を往復しながら読み直す全4回の講座です。『ゆめにっき』から出発し、理論の生成現場、キュレーションの展開、出会いの唯物論へ進み、「作品」「関係」「形式」がどう組み替えられたのかを検討します。

*アーカイブ視聴ができますので、配信開始後にも全ての回にお申し込みいただけます。


ニコラ・ブリオーの『関係性の美学』ほど、その名前だけが先行して流通した書物もないでしょう。1998年の刊行から30年近くが経ち、十五以上の言語に翻訳され、2023年末には日本語訳も刊行されました。しかし特に日本では、テクストそのものの精読より先に、「人と人をつなぐアート」や地域芸術祭の合言葉として流用され(ているとされ*)、クレア・ビショップによる批判——敵対的関係が考慮に含まれておらず、対立や排除を覆い隠す調和的な共同体的関係性のみが称揚されている——も、十分な検証なしに定説化してきました。

ですがテクストに当たれば、ブリオーが書いていたのは、単なる仲間内での交流や「親密さ」の称揚でないことは明らかです。むしろ彼は、1990年代に全(前)面化した、社会関係の商品化、グローバリゼーション、サービス経済への移行といった変化のなかで、完成した物体から行為、プロセス、使用、交換、観客との出会いへと、「作品」という概念そのものが破壊的に組み替えられていく過程を記述したのです。

本セミナーでは、『ゆめにっき』を通じた『関係性の美学』読解、『関係性の美学』を準備したフランス固有の文脈とブリオー自身の批評的実践、90年代以降のキュレーション、そして「関係」と「形式」を支える出会いの唯物論へと、全4回を通して『関係性の美学』を読み直します。

30年後のいま、そのテクストが問う21世紀のアートの可能性をあらためて考えてみましょう。

* 『地域アート――美学/制度/日本』藤田直哉編・著、堀之内出版、2016年。同書は、地域芸術祭を理論的に正当化する言葉として、「関係性の美学」が「誤用」されたと主張していますが、実際に地域アートに関わる当事者からのそのような証言は一切紹介されず、また同書全体を通じて『関係性の美学』の原典の記述との照合も極めて限定的であることには留意が必要です。


芸術係数オンラインセミナー:『関係性の美学』再入門 全4回
*全ての回でアーカイブ視聴が可能となっておりますので、配信開始後も全ての回にお申込みいただけます。

9月21日(月・祝)20:00-22:00
第1回 「ゆめにっき」による『関係性の美学』再読
――『ゆめにっき』を手がかりに、「持続する出会いの形式」の可能性について検討する

 「関係性の美学」の実例として『ゆめにっき』を当てはめるのではなく、『ゆめにっき』の体験と作品形式を記述する言語の不足を起点として、そこから『関係性の美学』を「1990年代の参加型アートについての特殊な理論」ではなく、作品とはどこに存在するのか/形式とは何か/鑑賞者と作品は、相互にどう作用しているのかを問い直す思考として再読します。

9月25日(金)20:00-22:00
第2回 『関係性の美学』の背景
――ブリオーの個人史、レスタニとドゥボール、「パリではない」1990年代フランス、そして初期『関係性の美学』受容

理論を孤立した著書から取り出すのではなく、人、雑誌、展覧会、都市、制度が交差した生成過程へ戻して読む。ブリオーが理論を形成する過程で影響を与えた、パリではない地方都市の活動、先行者としてのレスタニとドゥボール、そして『関係性の美学』がどのように受容されていったかについて読むことで、理論そのものを形成の産物として捉える。

10月2日(金)20:00-22:00
第3回 90年代のニコラ・ブリオーのキュレーション
——社会空間からナビゲーションへ

展覧会を理論の実例とみなすのではなく、問いを立て、言葉を生み、次の実践を準備する思考の装置として読む。展覧会と理論の螺旋状の運動を追い、展覧会を共同滞在の社会空間として読むことを通じて、キュレーションを経路の発明として捉える。

10月4日(日)20:00-22:00
第4回 「関係」と「形式」を支える出会いの唯物論
――偶然、持続、形成、そして世界が「固まる」こと

最終回では、『関係性の美学』の哲学的な核へ戻り、関係が形式となり、一つの世界が成立する条件を考える。偶然を起点に、持続が形式を生み、そして形成へ移行する条件を考えます。講師は哲学が専門分野ではありませんが、あくまでも芸術作品の成立におけるその条件について、具体的実践からそれを支える思考を引き出すことを試みます。


各回120分(講義:90分/質疑:30分)
○全4回を通して受講いただくことで『関係性の美学』とブリオーの思考が包括的に理解できるように構成していますが、各回独立した内容にもなっていますので、気になるテーマだけに絞って受講していただいても問題ありません。
○講義は公開後1ヶ月間アーカイブ視聴可能です。
○ご参加いただく皆様には、事前に質問登録用のリンクをお渡しいたしますので、リアルタイム視聴できない場合でも事前に質問事項をご提出いただけます。

○銀行振込をご希望の方は、ご希望のチケットを明記の上、info@artcoefficient までその旨ご連絡ください。

受講料:
全4回通し参加 10,000円(各回アーカイブ視聴あり/配信後1ヶ月間)

『関係性の美学』再入門 全4回セット受講

『関係性の美学』再入門 全4回セット受講

¥10,000

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単発参加 各回  3,500円(各回アーカイブ視聴あり/配信後1ヶ月間)

9月21日(月・祝)20:00-22:00
第1回 「ゆめにっき」による『関係性の美学』再読

第1回 「ゆめにっき」による『関係性の美学』再読

第1回 「ゆめにっき」による『関係性の美学』再読

¥3,500

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9月25日(金)20:00-22:00
第2回 『関係性の美学』の背景

第2回 『関係性の美学』の背景

第2回 『関係性の美学』の背景

¥3,500

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10月2日(金)20:00-22:00
第3回 90年代のニコラ・ブリオーのキュレーション

第3回 90年代のニコラ・ブリオーのキュレーション

第3回 90年代のニコラ・ブリオーのキュレーション

¥3,500

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10月4日(日)20:00-22:00
第4回 「関係」と「形式」を支える出会いの唯物論

第4回 「関係」と「形式」を支える出会いの唯物論

第4回 「関係」と「形式」を支える出会いの唯物論

¥3,500

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